地球温暖化などの環境問題、年金の破綻、社会保障費の
高騰、教育予算の減少など、
私たちの世代が行動しなければならない課題はたくさんある。
では、どうすれば若者が希望と関心を持ち、
選挙に関わっていくことができるようになるかを考えてみました。


はじめに


これは何の数字だと思いますか?

みなさんは、現在の若者の投票率を知っているでしょうか?

この数字は20代の若者と60代の中高年の投票率を表しています。

ここ最近はメディアでも、若者の投票率が低いと問題にあげられることも多いので、漠然と「投票率が下がっているのだなあ、よっぽど低いのだろうなあ」とイメージできる人も少なくないと思います。

若者(20歳代)の投票率は33%、それに対して中高年(60歳代)の投票率は、72%程度となっており、実態としては投票率に約2倍以上の世代間差が現れています。

これほどの差があれば、より政治が中高年に配慮した運営になってしまうことは自然なことで、若者の思いを汲み取ってもらうチャンスを自ら放棄していると言っても過言ではありません。
私たちは18才から「有権者」となります。将来を担う「若者」が政治に無関心なままで、日本に明るい未来はあるのでしょうか。
今一度、このサイトを通して考えてみましょう!

背景

1. 本当に若者の投票率は低いの

  • 年齢が低いほど投票率は低い(除く10歳代)
  • 1986年と比較すると全年代の投票率が減少している
  • 近年では20歳代の若者の投票率が50%を下回っている



図1




図2


図1,2 ソース:総務省HPを基に作成

2. 若者の投票率が低いとどうなるの?


  • シルバーデモクラシーの問題

シルバーデモクラシーとは、有権者全体のなかで高い割合を占める高齢者向けの施策が優先される政治のことです。


シルバーデモクラシーによって、高齢者向けの政策が優先され、子育て支援や雇用増進といった若者向けの政策が相対的に軽視されることにより、少子化や経済低迷の遠因になるとの指摘もあります。



  • 民主主義の価値が損なわれる

「選挙」とは、代表を選び、私たちの意見を政治に反映させるために行われるものです。そのためにも、私たち一人ひとりが「選挙」に関心を寄せ、世代の立場を超えて、お互いの見方とは異なる価値観についても意見や思いを交換し合うことが大事になります。


[フリーイラスト] gahag.net より引用

選挙とは

そもそも選挙の成り立ちとは?

民主主義と選挙の成り立ち



今の普通選挙の権利を勝ち取るために、
先人達や当時の若者たちの努力があったことは忘れてはいけません。

平等な権利の根深い問題について

中高年と若者の世代間投票差だけでなく、他の権利についても掘り下げてみましょう。
     
1つ目は男女格差についてです。
女性の参政権は1946年より認められました。権利の面では平等ですが、以下の内閣府男女共同参画推進連携会議のデータからは、未だに平等とは言いがたい実態があります。


男女の地位の平等感


社会全体で見た場合、男女の地位について、74.2%が「男性の方が優遇されている」と考えています。男女別にみると、「男性の方が優遇されている」と回答した人は男性よりも女性に多くなっています。

図3

各分野における『指導的地位』に占める女性の割合
図4

就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合(国際比較)

就業者に占める女性割合に比べ、管理的職業従事者に占める女性の割合は、国際的に見て低い水準にとどまっています。


図3,4,,5 ソース:内閣府男女共同参画推進連携会議
ひとりひとりが幸せな社会のために ~令和元年版データ~


2つ目は普遍的な権利です。


私たち日本人には普遍的な権利、平等である権利を持っています

アメリカでは黒人の射殺や窒息死の事件、ウイグル人の弾圧、香港の雨傘運動など、世界各地で人権・主義・思想に基づく争いや弾圧が続いています。
そのような弾圧をされれば自分の意見を発信することさえ難しく、民主主義国家の国民でさえも政治の発言、批判などできない苦しい環境にある国がたくさんあります。

このように日本人は非常に恵まれた環境にあり、そこで私たちが行うべき事がいくつかあります。
ひとつは、私たちが現代の有権者の権利を手に入れるまでの苦労と努力を知ること。
もうひとつは、平等であり政治に誰にでも参加が出来る制度がある環境で生活できている事を忘れないこと。
さいごに、権利をどのように使うのかを考えていくことです。

ソース:Unsplash

問題原因

なぜ私たち「若者」は選挙に行かないのか

1. 政府の見解


選挙を所管する総務省が設置した常時啓発事業のあり方等研究会(2011)は、「若い有権者の投票率が低いのは、他の世代に比べて、政治的関心、投票義務感、政治的有効性感覚が低いからであると考えられ、これまでの各種意識調査がそのことを物語っている」と見解を発表しています。

また同研究会は、若者の選挙離れは学校教育における政治的・社会的に対立する問題を取り上げ、関心を持たせたり、判断力を養成するような教育がほとんど行われていないことを指摘しています。
最近の若者は、リアルな人間関係の減少、地域のコミュニティ機能の低下、 家族構成員の減少などのため、人や社会との関わりが少なく、社会の一員であるという意識が薄く、いわゆる社会化(名実ともに社会の一員となること)が遅れているという事をあげています。

2.私たちの考え

政治への関心が低い、選挙へ行く事が面倒、面白さが感じられないからこれらの理由も考えられます。
しかし、本当の理由は、自分の投票した一票に「希望」を持てない、さらに自分の投票に「実感」を持てないからだと考えました。
では「希望」「実感」 のある選挙とはどんな選挙でしょうか

提言

提言

若者が希望と自ら当事者として選挙に関わる実感を持つことができる選挙に向けて、私たちはITの活用や未来のテクノロジーの活用について考えてみました。
問題提起で紹介した、研究会のコメントにもあるように、今の若者はリアルな人間関係が減少していたり、地域のコミュニティとの関わりが減少しているなどの問題がある反面、幼い頃からインターネットに触れ合ってきたことから、
リアルな場だけでなく、バーチャルの空間やオンラインでの繋がりに親しんでおり、その強みを生かすことができないかと考えてみました。


具体的には
① 5Gを活用した投票における体験の変化
② AIを活用した投票シュミレーション
という2つの案です。

① 5Gを活用した投票における体験の変化

1つ目の提案は、「5Gを活用した投票における体験の変化」です。

5Gを活用すれば、今より通信のタイムラグがなくなり、さらに多くの通信を可能にする事ができます。
そこで、バーチャル空間の中で自分だけのアバターを作成し、5Gを使用したバーチャル空間で選挙を行う事を提案したと思います。

提言の理由:
1点目は、自分の投票の可視化が可能な点です。
バーチャル空間の中で選挙を行う方法でなら、自分の投票がどう動いているのか確認することが可能になります。
例えば、自分が投票した議員が何か政策を行ったり誰かと対談、SNSの発言がメールで届くようになれば自分の投票に実感を持つ事ができます。

2点目は、バーチャル空間の中であれば、リアル(現実)の場より情報を多く扱う事ができるようになる点です。
例として、立候補者のHPとリンクさせることで、街頭演説だけでは把握しきれない、候補者の政策の内容や、未来への考え、好きな食べ物さえも文字や動画などで把握することが可能になります。

3点目は、自分のアバターを介する事で、より選挙に実感を持つ事ができるようになる点です。

現在の若者がよく利用するFPSゲームや村づくりゲームの空間には自分のアバターがいると思います。そのキャラクターが実際の選挙の空間に登場するイメージを持つと、より選挙というイベントに対しても愛着や実感が湧いてくる気がしませんか?

コロナ禍により、ミュージシャンのバーチャルライブや企業のバーチャルで行う商品の販売がありました。
すでに若者はバーチャル空間が日常空間の一部であることも考えれば、選挙自体がバーチャル空間で実施される事で、多くの若者が選挙に関心を持つと思います。



② AIによるBig Dataを活用した投票シュミレーション

2つ目の提案は「AIによるBig Dataを活用した投票シュミレーション」です。

提言の理由:

理由は、私たち若者の限られた社会経験や知識不足を補い、それぞれの候補者に投票した後の未来を予想するためです。

学校や家庭では、あまり政治や選挙のアドバイスをもらう機会はない反面、18歳になると自分の判断で投票する必要があります。そこでAIやBig Dataを活用し、仮に自分が投票した場合の自分の未来の変化をシュミレーションすることや自分と同じような考え方をする候補者を特定することなども可能になるのではないでしょうか。

具体例は、自分や候補者の膨大な量の情報をAIに分析してもらい、どのような未来になるのかシュミレーションしてもらう事ができると考えています。

これが実現すれば、一流のコンサルタントやアドバイザーが身近にいることと同じなので、自分の経験・知識不足を補いつつ、未来のシュミレーションを検討した上で投票できるようになるので、若者が投票しやすい環境ができるのではないかと考えています。

選挙へのテクノロジー活用に向けた今後の課題

上記の提言を実現させるためには以下のような課題があると私たちは考えています。

①制度面の課題

オンライン投票が日本で認められていない
現在の日本でインターネットを活用し、オンラインで選挙を行う制度は認められていません。
外国でもインターネットで選挙を行う制度を確立している国は存在しますが、普及率は高くありません。
そのため、オンライン選挙を行う上で、制度面の問題を解決することが必要になります。

②安全面での課題

セキュリティ・プリバシー保護をどのように行うのか
日本の選挙では「誰が誰に投票した」のか秘匿されています。そのため、インターネットを用いて選挙を行う上で、個人情報の漏洩を防ぐなど、厳格なセキュリティ管理が必要になります。

③倫理面での問題

世代間の考えの違い
世代間でもテクノロジーに対する考え方の違いがある事や、従前取り組まれてきたやり方に慣れ親しんだ人たちの中には、このようなオンライン選挙についても嫌な思いをする人々が現れると思います。そのような方々をどのようにフォローするのかが重要な視点になります。

このように多くの課題がありますが、問題を一つ一つ解決していくことで、よりよい選挙のあり方についての議論が深まり、みんなが気持ちよく参加できる選挙を作っていく事ができるのではないでしょうか。



まとめ

選挙の歴史を調べたり、他の国の環境と比較すれば、日本の若者が置かれている状況は極めて恵まれているということが、分かりました。


一方、データを分析すれば、まだまだその恵まれた権利を行使していない多くの若者がいることに気づくことができました。コロナウイルスの広がりに伴い、リアルの場が機能し辛くなっている今だからこそ、テクノロジーを武器に、若者やそれ以外の年代の方々も、皆が希望のある未来を考え、より実感を持てる選挙が実現してほしいと考えています。



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